このページの内容は何年も前のeBirdに基づいていて古くなりました。近いうちに更新します(2024/01/17)。

eBirdは米国のコーネル大学鳥類学研究所が提供している野鳥記録システムで、フィールドノートとどちらがよいか迷う方もおられると思います。フィールドノートはバードウォッチャーが自分の観察記録を整理するため、そして多くの方の観察記録を集約して日本の野鳥を調べるため構築された仕組みです。フィールドノートをお使いいただくことで、皆さんの野鳥記録が日本の野鳥を守るための研究に利用されます。

フィールドノートは日本の野鳥の研究に使われている仕組みです

研究成果のページで紹介しているように、フィールドノートは日本の野鳥を調べるための様々な研究で利用されています。eBirdのデータで行われている北米や、世界の鳥類を概観したような研究も素晴らしいものですが、フィールドノートでは日本の研究で長年使用されている野鳥の繁殖コードや「シーズン初認」のような、日本の野鳥研究で必要な記録項目を使って分析を行っています。さらにフィールドノートは私たちがデータベースを直接扱えるため、利用者の希望に応じてデータの修正や抽出を行ったり、インターネット・バードソンのように日本独自のイベントを開催することができます。

フィールドノートは種名リストに日本鳥類目録第7版を使っています

フィールドノートは日本鳥類目録第7版に迷鳥などを独自に追加した種名リストを使っており、日本の図鑑にある鳥の名前は、ほぼすべて和名で入力することができます。eBirdの種名リストは日本鳥類目録とは異なっているため、注意が必要な場合があります。例えば亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイはどちらも種として分類されていますから、「ヒシクイ」と入力すると、それは亜種ヒシクイという意味になります。そのほか、eBirdのリストに亜種(亜種はスマートフォンアプリでは入力できませんが、Web版では入力可能なようです)が存在しないため日本鳥類目録にあっても入力できない鳥があります。

フィールドノートの種名リストはこちらからダウンロードできます

フィールドノートは記録を非公開にする方法が柔軟です

ユーザー自身が非公開にする機能

フィールドノートでは、調査地を非公開にすることと、観察リストの中の任意の種を非公開にすることができます。調査地を非公開にしておけば、その調査地の存在自体が見えません。非公開の場合も、野鳥記録は研究データとしては利用させていただきます。eBirdでは観察リスト単位で非公開にする機能がありますが、そうすると研究データとしても使用されなくなります。

システムが強制的に非公開にする機能

フィールドノートでは、ユーザーが公開にしている場合も、希少種や多くの人が見に集まるような種は、システムが強制的に非公開にします。これに該当する種のリストは公開されています。eBirdにも同様の仕組みがあり、eBird Japanが始まった2020年秋から適用されています。それ以前の記録ではすべての種と位置が公開されているようです。eBirdの非公開ポリシーはこちらのページで解説されています

フィールドノートは自分の野鳥記録を整理するための機能が豊富です

フィールドノートは個人的に野鳥データベースを作るためのシステムとして2006年にスタートたもので、データの検索機能を重視しており、調査地ごとにクロス集計表を作ったり、種名や期間を絞り込んだ検索をすることが可能で、結果はcsvファイルでもダウンロード可能です。一方、eBirdはチェックリスト(観察記録)を収集する仕組みのようで、自分のデータは全記録または種別に一括出力します。